押収された金地金=2025年1月9日午後3時17分、関西空港、田添聖史撮影

 香港から一度に約160キロ分の金地金(約14億8千万円相当)を密輸しようとしたなどとして、大阪府警と大阪税関は9日、40~50代の韓国籍の男4人と日本人の男1人を関税法違反などの疑いで逮捕したと発表した。一度の押収量としては国内で過去2番目に多いという。

 府警国際捜査課によると、5人はいずれも会社経営で、韓国籍の趙祥衍(ジョサンヨン)容疑者(55)=さいたま市見沼区=や吉本真治容疑者(53)=東京都台東区=ら。趙容疑者は黙秘し、吉本容疑者は容疑を認めているという。

 逮捕容疑は共謀して昨年1月11日、香港から化粧品名目で関西空港に空輸した貨物の荷台の中に、金地金160枚(約160キロ分、約14億8千万円相当)を隠して密輸し、消費税など計約1億4千万円を免れようとしたというもの。税関でのX線検査で発覚したという。

 また、2023年11月~昨年1月4日、同様の手段で4回にわたり、金地金を計161枚(約15億3千万円相当)密輸したなどの疑いもある。これらは大阪市内の倉庫に運ばれた後、東京方面で買い取り業者に売られた形跡があるという。

 5人は昨年10~12月に逮捕され、大阪地検堺支部が関税法違反の罪などで起訴したという。府警は、趙容疑者が香港の関係者から密輸出の連絡を受け、他の容疑者らに荷受けや売却の指示を出していたとみている。

 財務省によると、昨年上半期に全国の税関で押収された金地金は計約937キロで、前年同期比で8倍超に急増。背景に新型コロナ後の入国規制の解除や金相場の高騰があるとみられ、大阪税関の担当者は「貨物や入国者を利用した密輸の取り締まりに一層注力したい」と話した。

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