日雇い労働者のまちで知られる大阪市西成区の釜ケ崎の一角に、1954年に創設された家族経営のオーエス劇場がある。コロナ下で減った客足が戻らないため、まちづくりに興味のある大学生と協力し、5月23日からクラウドファンディングを始めた。
劇場は、芸人たちが暮らす長屋が並んでいた「てんのじ村」の近くにある。もともと、浪曲の劇場として開館。一時期は映画館となり、83年に大衆演劇場に生まれ変わった。
役者と客の距離が近く、地元の常連らが多くいた。しかし、コロナ下で家族に劇場通いを止められたり、家でできる趣味を見つけたりして、頼みの常連が減ったという。
「このままだと閉館」
客席は220席。花道の脇に桟敷席もある。コロナ前は150人以上の来客で「大入り」としていたが、今は70人以上まで下げた。
このままだと閉館も考えないといけないかもしれない。そんな不安がよぎっていた今年2月、運営してきた4代目社長が急死した。立て直そうにも、ホームページもSNSもやっていない。宣伝力も弱い。どうするか家族で悩んだ。
劇場は、カラオケ居酒屋が集…