研究に取り組む小野克己さん

 高校生・高専生が自由研究の成果を競うコンテスト「JSEC(ジェイセック)2024(第22回高校生・高専生科学技術チャレンジ)」の最終審査会が24年12月上旬、日本科学未来館(東京)で開かれた。全国173校705人から過去最多となる404研究の応募があり、高く評価された35研究について最終審査会で成果が発表された。上位入賞した12研究は、25年5月に米国・オハイオ州コロンバスで開かれる世界大会「リジェネロン国際学生科学技術フェア(ISEF=アイセフ)」に日本代表として派遣される。

【朝日新聞社賞】佼成学園高校3年 小野克己さん

 子供の頃から家族とタナゴ釣りに行くのが好きだったが、釣れる場所が減ってきた。魚の産卵の場となるイシガイの減少が一因らしい。イシガイの生態を調べ、保全方法を解明したい――。

 まずは霞ケ浦につながる茨城県潮来市の水路でイシガイ探しから始めた。なかなか見つからなかったが、「あそこにいる」と教えてもらい、ようやくたどりついた。水路に入るとくさかった。貝をさわった手はせっけんで洗ってもしばらくにおいがとれなかった。こんな場所でも生きていけるのか、と驚いた。

水の流れの乱れ、観察で気づく

 上流側と下流側、それぞれ3地点で流速、貝の密度、水質を調べた。水質は硫化物の量などで比べた。流れが比較的速く、硫化物の堆積(たいせき)が少ない場所でイシガイの密度が高いとわかった。

 観察していると、イシガイの…

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