（16日、第106回全国高校野球選手権大会3回戦 滋賀学園6―2霞ケ浦）
滋賀学園に勢いをもたらすプレーがうまれた。1点リードの二回だ。無死三塁のピンチで鋭いライナーが三遊間へ。遊撃手・岩井天史（てんすけ）が懸命に手を伸ばす。身長184センチのグラブに球が収まった。
「予測して準備できていた。序盤の失点は重いので、あのプレーは大きかった」と胸を張った。
続く三回も同じようなジャンピングキャッチ。終盤、立て続けに飛んできたゴロも難なくさばく安定感をみせ、チーム初の8強入りに貢献した。
3試合連続の2桁安打だが、チームは守備型を自認する。基礎中心の練習では「失策が勝敗を決める」という意識を徹底。1球への思いを大事にしているという。
滋賀大会5試合でチームの失策はわずか2。守りの中心である多胡大将（ひろまさ）、岩井の二遊間コンビは、甲子園に乗り込んでからも失策ゼロの鉄壁を誇る。
「打率は3割でも十分だけど、守備は10割（の成功率）じゃないといけない」と岩井。打撃は水物といわれるが、この守備はそう簡単には崩れない。（金子智彦）
