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初代門司駅関連遺構の全景=北九州市提供
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 北九州市門司区で見つかった明治期の「初代門司駅」関連遺構を巡り、開発か保存かで地元が揺れている。複合公共施設建設のため取り壊す方針の市と、現地保存して施設との共存を訴える学術団体。ユネスコの諮問機関が、危機的状況にある文化財保護を目的にした「ヘリテージアラート」を発出する中、キーパーソンはどのように考えているのか。解決の糸口はあるのか。

  • 鉄道遺構、開発か保存か 北九州市副市長「安全な場所の提供、優先」

九州鉄道の起点駅として1891年に開業した初代門司駅。保存を求める溝口孝司・九州大教授がその理由を語りました。

 ユネスコの諮問機関「イコモス」の国内委員会副委員長・溝口孝司九州大教授(考古学)

――なぜ保存が必要か

 初代門司駅遺構は日本が植民地主義の荒波を乗り越えようと、西欧と日本伝来の技術を駆使した国土インフラ整備の象徴だ。先人たちの努力と思いが凝縮されている。鉄道遺産を世界遺産に集合的に申請する場合、ほぼ確実に構成資産になるが、取り壊すとそれがかなわなくなる。

 保存されれば観光資源となり、経済的価値も生み出す。

――(ユネスコの諮問機関の)イコモスは「ヘリテージアラート」を出し、開発中断や学識経験者との協議を求めた

 国内外の学術団体も遺構を高く評価し、価値が定まった上でのアラート発出だ。私たちは「専門的知識を提供し支援する」という立場で、市と敵対しているわけでも、懲罰的に発出したわけでもない。専門家との具体的な協議を開き、知恵を持ち寄って落としどころを模索するきっかけになればと思っている。

――市の対応に問題はあったのか

 文化財保護法は、地方公共団…

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