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銃撃直後のトランプ前米大統領を撮影したAP通信の写真が、共和党全国大会のグッズ販売店に飾られていた=2024年7月16日午後2時50分、ウィスコンシン州ミルウォーキー、真海喬生撮影
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 トランプ前米大統領が、銃撃直後に観衆に向けて拳を突き上げた写真が話題だ。開催中の共和党全国大会の参加者からも、この写真でトランプ氏の「強いリーダー像」をより意識したという声が相次ぐ。一方、配信したAP通信が、トランプ陣営の広告に使われる可能性に触れるなど、歴史的瞬間を写した写真が「独り歩き」することへの懸念も出ている。

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 トランプ氏は13日、ペンシルベニア州バトラーでの集会で演説中に銃撃された。写真は、銃撃の直後にしゃがんだトランプ氏が大統領警護隊(シークレットサービス)に囲まれて立ち上がり、血を流しながら観衆に拳を突き上げた姿を写したもので、傍らには星条旗が翻る。米国の優れた報道に贈られるピュリツァー賞を過去に受賞しているAP通信のエバン・ブッチ氏が撮影した。

 写真は、事件を伝えるテレビや新聞など世界中の報道機関で使用され、ネット上でも話題になった。AP通信によると、事件翌日の14日夕方までに契約先に2327回使用された。通常は最も使用される写真でも、1週間で700~800回という。

 米紙ニューヨーク・タイムズは、写真の構図が、1830年のフランスで起きた7月革命を題材にしたドラクロワの絵画「民衆を導く自由の女神」などを想起させると報道。銃撃事件をテレビ映像だけで見れば「混沌(こんとん)」だが、写真は「屈服の拒否」や「反抗」など、「違う物語」を語っていると指摘した。一方、AP通信は「国旗の存在が政治色の強いイメージを持たせている」として、今後、「トランプ陣営の広告やグッズに使われることは想像に難くない」と言及した。

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