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鎌倉市役所の本庁舎=神奈川県鎌倉市御成町

 神奈川県鎌倉市庁舎の移転をめざしてきた松尾崇市長は14日、鎌倉駅そばの現庁舎に市長の執務室や総務部、議会など意思決定部門を残し、他の機能を市西部の深沢地区に分割移転させる考えを複数の議員に伝えた。関係者への取材で分かった。移転先の建物の規模を縮小することも検討するという。

 松尾市長は2021年10月、市庁舎移転を公約に4選を決めた。ただ、移転には位置条例改正案の可決が必要で、22年12月に改正案を議会に提出したが、可決に必要な3分の2に届かず否決された。今年4月の市議選では移転賛成派が22年時より1人減り、6月議会への改正案提出を見送っていた。

 松尾市長は6月の記者会見で「(10月末までの)任期の間に解決したい」と話しており、意思決定部門を残すことで位置条例改正案の提出を避けつつ、一部移転を実現したい考えとみられる。ただ、移転反対派からの反発も予想される。

 市庁舎をめぐっては、市が17年に移転方針を示し、18年に深沢地区を移転先に選んだ。反対派の市民は18年に住民投票の条例制定を請求。20年にも市議が同様の条例案を提案したが、いずれも議会で否決された。

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