生きることは、食べること。うれしいときも、悲しいときも、どんなときも。ご飯を通して戦争を描く漫画「戦争めし」。漫画家・魚乃目三太さん(49)に作品に込めた思いを聞きました。「ご飯」からみえる「平和」への願いとは。
――ご飯から戦争を描く。今まであまりなかった視点を思いついたのはなぜですか。
2009年、テレビに映った1枚の絵に釘付けになりました。ある老人が、南方で戦った記憶を残した絵でした。仲間たちが餓死し、白骨街道のようになっている道を、一人飯盒(はんごう)を持って逃げている絵でした。どうして、武器も持たず、飯盒だけもっているのか気になりました。図書館で当時の新聞や資料を調べて、初めて戦地では、飯盒で自炊していたことを知りました。すごいなと思ったんです。それから戦争中の食に興味を持ち始めました。
■一瞬だけ、楽しそうに…