市況

 長期金利の上昇が止まらない。15日の東京債券市場で、長期金利の指標となる新発10年物国債の利回りが上昇(債券価格は下落)し、一時、前日終値より0.02%幅高い1.595%をつけた。日本相互証券によると、リーマン・ショック直後の2008年10月以来、約17年ぶりの高水準となった。

 長期金利の上昇圧力が高まる背景には、20日に投開票が予定される参院選の結果次第で、財政がより悪化するとの懸念がある。報道各社の情勢調査で自民・公明両党の苦戦が伝えられ、与党が過半数割れした場合は、国債増発による財政拡張路線が強まる、との見方が市場にある。買い手不足から国債の売りが先行する展開が当面続きそうだ。

 三菱UFJモルガン・スタンレー証券の井上健太氏は「自民党は現金給付、野党は減税と財政拡張路線は共通している。選挙の結果にかかわらず、市場に国債増発への危惧が高まっている」と指摘。一方で、「不安心理が先行する面も強い。参院選が終わり、日米の関税交渉次第で落ち着くのではないか」とみている。

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