将棋の藤井聡太王将(22)=名人・竜王・王位・王座・棋王・棋聖と合わせ七冠=に永瀬拓矢九段(32)が挑戦している第74期王将戦七番勝負(毎日新聞社、スポーツニッポン新聞社主催)の第2局が25、26の両日、京都市伏見区の「伏見稲荷大社」で指され、先手番の藤井王将が93手で勝ち、シリーズ成績を2勝0敗とした。第3局は2月5、6の両日、東京都立川市の「オーベルジュ ときと」で指される。
第1局は後手番の藤井王将が苦戦の将棋を逆転勝ち。戦型は「相懸かり」。
第2局は、後手番の永瀬挑戦者の誘導に藤井王将も応じる形で、「横歩取り」の戦型に。この2人の対戦では珍しい戦型になった。1日目午後の封じ手直前に永瀬挑戦者が2時間32分の長考をし、その後、藤井王将が1時間15分の長考で43手目を封じるなど、長考の応酬。2日目も難解な戦いが続いたが、藤井王将がリードし、最後は永瀬玉を鮮やかに寄せ、勝ちきった。
終局後、勝った藤井王将は「(横歩取りの戦型は)一度、戦いが始まると激しくなりやすい将棋。一手一手難しいかなと思っていました。(中終盤は)形勢はよく分からないまま指していました。(次の第3局へは)今度は後手番になるので、まずは序盤で立ち遅れることがないように、しっかり準備をしていきたいと思います」などと話した。敗れた永瀬挑戦者は「(横歩取りの戦型に、自分が)誘導しました。(序盤は)難しいのかなという気はしたんですけど。(藤井王将の「封じ手」が)直接手じゃないんであれば、結構、難しいのかなという感じはしたんですけど。選択肢が多すぎて絞れないので、どう指されるか分からなかったですし、どれも有力なのかなと思いました。(第3局は)先後決まってますので、準備して頑張りたいと思います」などと述べた。