送検される矢口雄資容疑者=2025年1月27日午前10時41分、長野市の長野中央署、西岡臣撮影

 JR長野駅前で男女3人が襲われ死傷した事件で、殺人未遂容疑で逮捕された無職矢口雄資(ゆうすけ)容疑者(46)=長野市=が逮捕当時、数十円しか所持していなかったことが捜査関係者への取材でわかった。自宅の電気の供給も止められていたといい、長野県警は事件当時の矢口容疑者の生活状況について慎重に調べている。

 捜査関係者らによると、矢口容疑者は集合住宅で一人暮らしをしており、生活保護を受給していた。逮捕当時、室内は雑然として、水が入った大量のペットボトルなどが散乱していた。近くに住む親や、きょうだいとは疎遠だったという。

 県警は15日、襲われた3人のうち、同市の会社員男性(37)に対する殺人未遂容疑で矢口容疑者を再逮捕し、発表した。再逮捕容疑は、1月22日午後8時過ぎ、同駅善光寺口のバス乗り場付近で男性の右背中を包丁で刺し、殺害しようとしたというもの。男性は2カ月の重傷を負った。

 県警は、矢口容疑者と男性に面識はなく、無差別に襲撃したとみている。会話には応じるが、事件の認否などについては「黙秘します」と話しているという。

 県警は1月26日、軽傷を負った女性(46)への殺人未遂容疑で矢口容疑者を逮捕していた。左胸などを刺されて失血死した会社員丸山浩由さん(49)=同市=についても、県警は矢口容疑者が関与したとみて調べている。

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