関西学院大学(兵庫県西宮市)は7日、教育学部の教授が同じ内容の論文を重複発表する研究活動上の不正行為(二重投稿)があったと発表した。当該論文の取り下げを勧告し、処分を検討するとしている。
大学によると、教授は2008年と11年に発行された研究誌2誌にそれぞれ論文を投稿。この2本の論文について、題名と文章を一部変えてはいるがほぼ同一として「不正」と認定した。
この論文とは別に、教授は10年と11年に発行された研究誌2誌にもそれぞれ論文を投稿。その2本も酷似しており「不適切」と認定。あわせて取り下げを勧告した。
文部科学省は研究不正行為対応のガイドラインで、二重投稿について「論文及び学術誌の原著性を損ない、研究実績の不当な水増しにもつながり得る研究者倫理に反する行為として、多くの学協会や学術誌の投稿規定等において禁止されている」などと指摘。同大学は研究データの捏造(ねつぞう)や盗用とともに不正行為として位置づけている。
同大学の森康俊学長は「研究不正防止に取り組んでいる中、このような事案が発生したことは遺憾であり、深くおわびする。今回の事案を厳粛に受け止め、再発防止に努める」などとするコメントを発表した。(真常法彦)