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 8月8日~11日、九州各地で線状降水帯が相次いで発生し、浸水や土砂崩れの被害が相次いだ。三重大の立花義裕教授(気象学)は今回の豪雨の背景には6月の猛暑があると指摘。「猛暑と豪雨は連動する。九州以外の場所でも注意が必要だ」と訴える。

 ――九州各地で記録的豪雨となりました。

  • 九州で大雨被害、なぜ相次ぐ 「東西方向に流れる川」に思わぬリスク

 直接の原因は、この時期としては異例となる「梅雨前線」のような前線が出現したことです。この時期としては異例で、この停滞した前線に向かって水蒸気が大量に流入したためです。

写真・図版
8月11日午前3時の天気図。前線が九州北部など日本列島を横断するように停滞した=気象庁のホームページより

 天気図としては梅雨期にそっくりになったのですが、大きく違うのは海水温です。日本近海の8月中旬の海水温は梅雨期よりも5度ほど高くなります。更に8月下旬の九州近海は過去最高だった昨夏を上回り、約30度になっています。水温は28度を超えると爆発的に蒸発しやすくなります。今回は異常に高温となった海から水蒸気が大量に供給されたことが豪雨に拍車をかけたと考えられます。

 ――なぜ海水が高温になったのでしょう?

 6月の日本の平均気温は、こ…

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