【動画】東京・築地で南方向に見られた雷=嶋田達也撮影
気象庁は10日の夜遅くにかけ、東京都、埼玉県、千葉県、茨城県、栃木県、群馬県で、線状降水帯が発生する可能性があるとしている。雷を伴って短時間で集中的な豪雨となり、災害の危険度が急激に高まるおそれがあると警戒を呼びかけている。
10日午後8時前までに、東京都や福島県、埼玉県など計9都県には、数年に1度程度しか発生しないような大雨を観測したことを示す「記録的短時間大雨情報」が発表された。
気象庁によると、11日にかけて日本の北にあるオホーツク海高気圧が勢力を強め、梅雨前線が関東地方まで南下。前線に向かって、南から湿った暖かい空気が流れこみ、大気の状態が非常に不安定になる見込みという。東京都心で35.7度を観測するなど、昼間の気温上昇も加わって、大量の水蒸気を含む積乱雲が発達しやすい状況になっている。
11日午後6時までに予想される24時間降水量は多いところで、関東北部と南部で150ミリ。
10日午後7時までの1時間に東京都杉並区付近で約120ミリ、世田谷区付近で約100ミリ、午後6時50分までの1時間に中野区付近で約110ミリ、渋谷区付近で約100ミリの雨が降ったとみられる。午後8時までの1時間には、横浜市鶴見区付近や川崎市幸区付近などで約100ミリの雨が降ったという。埼玉県の深谷市付近では午後4時半までの1時間に約100ミリ、行田市付近では午後5時50分までの1時間に約120ミリの雨が降ったという。
同日午後5時20分までの1時間に、群馬県館林市では84.5ミリの猛烈な雨を観測し、1976年の統計開始以降1位の値を更新した。同じ時間までに、埼玉県の熊谷市で68.5ミリ、寄居町で68.0ミリの非常に激しい雨が観測された。
JR東海によると、東海道新幹線は10日午後7時20分ごろから東京―三島間などで運転を一時見合わせ、午後8時5分に再開した。小田急小田原線は新宿―経堂間で、京王井の頭線は渋谷―永福町間で運転を一時見合わせた。
【動画】雷雨の影響で高校野球千葉大会の試合が中断=永田稔撮影