フィールドワークの参加者に向けて説明をする宋明樺さん=2024年2月16日、千葉県船橋市、鳥尾祐太撮影

 101年前の関東大震災で起きた朝鮮人虐殺について、在日朝鮮人の若い世代が芸術を通じて歴史を伝えようとするプロジェクトを始めた。「百美+(ひゃくび)」と題してフィールドワークや勉強会を重ね、8月下旬から美術展を開く。

 「百美+」は2023年9月、千葉市に住む美術家の宋明樺さん(33)を中心に立ち上がった。宋さんは福岡県出身で、朝鮮学校に通った。小学校の授業で朝鮮人虐殺の歴史を学んだが、「現実感はなく、どうやって自分に結びつけたらいいのか」と思っていた。

 昨夏、千葉県立中央博物館で開かれた関東大震災の展示が転機となった。100年の節目の県立施設の企画なのに「虐殺が取り上げられていない」と衝撃を受けた。

 その後、横浜市で開かれた在日コリアンを含む日韓両国の芸術家らによる関東大震災時の虐殺被害者の追悼展を友人と見た。「美術で虐殺の問題に声を上げられる」と自分たちで企画を立ち上げることにした。

千葉から全国に広まった「デマ」

 「百美+」は千葉県在住の在…

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