カナダ西部カナナスキスで16~17日、主要7カ国首脳会議(G7サミット)が開かれる。初日は不透明感が高まる世界経済の見通しを討議する。その最大の要因である「トランプ関税」に対して、各国首脳がトランプ大統領に、どんなメッセージを送るのかが注目される。
「私たちは、グローバル経済の深刻な不確実性と変動に対処するためにここにいる」
G7メンバーの欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長は15日、記者会見でこう危機感を語った。
世界銀行の最新の見通しによると、2025年の世界成長率は前回1月時点の予想から0.4ポイントも低い2.3%。コロナ禍の20年を除けば、過去15年で最も低い水準という。
その原因は、トランプ関税による「世界規模の貿易紛争」(世銀幹部)だ。世銀は世界的な貿易や投資の弱まりが、経済力の弱い国々に特に打撃になると指摘する。一方で、関税を5月末時点の半分の水準にまで引き下げられれば、世界成長率は来年にかけて、平均0.2%ポイント上昇するとも試算する。
■関税半減なら成長率反転…