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 プロ野球・阪神タイガースの2年ぶりのリーグ優勝が秒読みになった。

 大阪・ミナミには優勝の度に大勢のファンが詰めかけ、過去には道頓堀川に飛び込む人が相次ぎ、死亡事故も起きている。

 大阪府警は今回、人が多く集まる戎橋(えびすばし)周辺を中心に、最大1千人態勢で雑踏事故などの警戒に当たる。

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2023年に阪神がリーグ優勝を決めた後の戎橋。警察が警備するなか、多くの人が橋の上で優勝を祝っていた=2023年9月14日午後9時13分、大阪市中央区、遠藤真梨撮影

 マジック1とした阪神は7日午後6時から、本拠地の甲子園球場で広島と対戦する。

 府警は優勝が決まる試合の開始時刻から、警察官をミナミに配置し、JR大阪駅などにも投入。特に混雑が予想される戎橋周辺では、雑踏事故への警戒を強化する。

 混雑状況に応じ、戎橋内は①左側通行②南から北方向への一方通行③通行止め、の3段階で規制を行う予定だ。

 周辺には人の移動を誘導する「DJポリス」を最大5カ所に配置。ビルの屋上など高所からも、時間と共に変化する滞留状況を監視する。

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戎橋周辺の規制のイメージ

 戎橋付近はグリコの看板で知られ、外国人観光客も多い。

 府警は周辺の商店街のスピーカーで英語、中国語、韓国語、ベトナム語で「立ち止まらないで」などとアナウンスするという。

 道頓堀川に飛び込む「祝賀ダイブ」への対策では、戎橋両側のスロープや、橋の下を流れる道頓堀川沿いの遊歩道への立ち入りを規制する。

 道頓堀橋の東側には幕を張り、戎橋に向けたダイブをあおったり、通行者が滞留したりするのを防ぐという。

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2年前の日本シリーズでも試合開始時刻を前に、戎橋近くに多くの警察官が配置された=2023年11月4日午後6時26分、大阪市中央区、田辺拓也撮影

 2003年にリーグ優勝した時には約5300人が飛び込み、川に落ちた1人が死亡した。

 23年はセ・リーグ、クライマックスシリーズ、日本シリーズと3回の優勝で延べ65人が飛び込んだ。

 飛び込む行為自体は違法ではないが、府警の警備担当者は「大変危険なので、絶対にやめてほしい」と呼びかける。

 また05年のリーグ優勝時には盗撮や交番のガラスが割られる事案なども発生。違法行為への対応も含め、府警は優勝が決まる可能性があるすべての日で警戒を行う。

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