プロ野球阪神の秋季練習が22日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で始まり、藤川球児新監督(44)が現役時代と同じ背番号22のユニホーム姿を初披露した。
- 阪神の藤川新監督が意味するもの 待ったの「2年」を経て人事権回復
午前10時すぎにグラウンドへ。ドラフト1位の新人でトミー・ジョン手術からの復帰をめざす下村海翔投手(22)に声をかけたり、コーチ陣と会話をしたりしながら、初日から精力的に動き回った。
練習前には、クラブハウス内で全体ミーティングを行った。選手、コーチらを集め、「いかに熱く秋季キャンプに入っていけるかが、来年に向かう意味でも大事。ついてきて欲しい」と語りかけた。
それともう一つ伝えたのが、真剣勝負の中で生まれる、選手たちの「表情」についてだった。
引き合いに出したのは、前夜のセ・リーグ、クライマックスシリーズ第1ステージ第6戦の巨人―DeNA戦。勝てば日本シリーズに進出する大一番で、1点リードの九回にマウンドに上がったDeNAの抑え右腕・森原康平は笑っていたという。対する、一塁ベンチの巨人の阿部慎之助監督も試合を通して表情が豊かだったように見えた。
「どちらも鬼気迫る表情というよりは、勝負を楽しんでいるかのようだった。見ていて興奮した」
自身も現役時代、大舞台になればなるほど、勝負心をくすぐられるような笑顔が自然と出たことがあったという。「それが力のある選手、力のあるスタッフなんだと思う」とうなずく。
そんな思いを込めて、「みんなは昨年、日本一になっているチーム。ああいう表情で、勝とうが負けようが、最後の試合を迎えよう」などと呼びかけた。
「コミュニケーション」や「対話」を大事にする藤川監督らしさ、を初日から発揮した。秋季練習は30日まで。11月1日から藤川監督の故郷でもある高知で秋季キャンプが始まる。(山口裕起)