阪神対広島 通算100セーブを達成した岩崎優とタッチを交わす阪神の藤川球児監督=日刊スポーツ

 (17日、プロ野球 阪神タイガース5―2広島東洋カープ)

 「守護神」と呼ばれる投手には、豪速球や空振りを取れる決め球があるものというイメージがある。

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 しかし、阪神のクローザー、岩崎優に相手打者を力でねじ伏せる豪速球も、絶対的な決め球もない。本人は「ものすごい球を投げたり、すごい変化球で三振を取ったりすることはできない」と自覚している。

 だからこそ「自分にできることをしっかりマウンドで出す。それだけ」。芯はぶれない。

 直球は140キロ台だが、ぐっと沈み込む独特のフォームで腕の振りが遅れて出てくるように見える。打者からは球の出どころが見えづらい。さらに変化球を投げる際も直球と腕の振りがあまり変わらないのも特徴だ。

 抑えて当たり前という立場だ。むしろ、打たれた時ほど注目される過酷な役回りとも言える。2016年途中に先発から中継ぎに転向し、22年にクローザーの座を確立してから、33歳は常にその重圧と向き合ってきた。

 同期入団で同学年、同じ左腕として、ともに救援陣を引っ張ってきた岩貞祐太は、岩崎についてこう話す。

 「すさまじいものは特になく…

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