（23日、プロ野球 阪神タイガース3―1広島東洋カープ）
再び、広島を相手に好投した。左ひじなどの故障から復帰して2戦目となった阪神の高橋遥人だ。1009日ぶりの1軍登板で白星を挙げた今月11日の5回無失点に続いて、七回途中1失点。首位を走るチームの勢いを封じた。
六回まで四死球を与えず、毎回の7三振を奪った。「ストレートが良かった。思い切って腕を振って投げられたと思う」。足を上げるテンポを変えるなど、工夫も凝らし、小気味良い投球で攻撃のリズムも作った。
七回は、連打と一塁手の失策で無死満塁にされた。ここで救援を仰ぐと、ベンチでは飲み物を口にしながら、悔しそうな表情を浮かべた。だが、すぐにベンチの最前列に移って仲間を応援した。
救援の石井大智は犠飛を許したものの、その後は2者連続空振り三振。高橋は最少失点でベンチに戻ってくる仲間を出迎えると、みんなも肩をたたくなどしてたたえた。
「すごくかっこよかった。リリーフのみなさん、様々です」と高橋。敵地で戦う首位広島との大事な初戦を自身が任されたことについては、「しっかりと試合を作ろうと思った。（久々の1軍登板だった）前回と一緒くらい緊張しました」。
大けがを乗り越えて戻ってきた1軍の舞台で、2試合続けて躍動した。「この前は本当にいっぱいいっぱいだった。今回の方が達成感があるし、落ち着いて投げられた」。岡田彰布監督から「コントロールがよかったよな」と評価された左腕が、終盤戦で頼もしい戦力になる。（上山浩也）
