セ・リーグ優勝を決め、ビールかけで笑顔を見せる阪神の藤川球児監督=米田怜央撮影

 投打に十分な戦力を抱えながら優勝だけが遠かった阪神を2023年、岡田彰布前監督は自在な采配で日本一まで導いた。主力選手の多くは円熟期を迎えつつある。そんなタイミングで就任した藤川球児・新監督には使命があった。

 もちろん、まず勝利。そして、「OBの方が89年間残した思いを、僕は次の世代につながないといけない」。持続的な強さの確立だ。

 特定の選手に頼ると、けがや加齢による衰え、移籍などで波が生じる。戦術も限定的になる。そこで、すべての支配下登録選手を戦力とした。1軍出場は55人で、優勝した2年前の48人をすでに上回る。

 それは、岡田前監督が三塁に固定していた佐藤輝明の起用法からもわかる。5月25日の中日戦、佐藤輝をプロ5年目にして初めて左翼で先発させた。そこから約1カ月は22年までついていた右翼の守備に入った。代わりの三塁手には、新外国人を試した。

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■柔軟な選手起用…

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