(16日、第107回全国高校野球選手権山口大会2回戦 高川学園7―0防府商工)

 昨秋の県大会王者・高川学園を相手に迎えた第2戦。1番打者として一回の打席に立った防府商工の松本剛琉主将(3年)は胸元をつく140キロ台の直球に舌を巻いた。

 マウンドの木下瑛二投手(2年)は大会屈指の速球派。フルカウントまで粘ったが、空振りの三振。後続2人も三振に倒れ、その裏の守備でリードを許してしまった。

 「ヒット狙いでなく、とにかくゴロを打とう。何かが起きるかもしれない」。そう話し合って試合に臨んだものの緩急ある投球に的が絞れない。

 「打てないなら当てるしかない」と、六回にはセーフティーバントも試みた。だが、球威に押された打球は前には転がらず、スリーバント失敗に終わった。

 無念の七回コールド負け。それでも「悔いはありません」と前を向く。

 防府商工の身上は「守備の野球」。失策もあったが、きびきびした動きで攻撃の芽を摘む場面も少なくなかったからだ。

 チームには2年生が多い。「この経験を糧に来夏はもっと戦える」。後輩たちの躍進を信じている。

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