阿部サダヲさん=横関一浩撮影
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 「経験として1回だけ公演に出て、それでやめるつもりだったんです」

 舞台に、映像に大活躍。主演ドラマ「不適切にもほどがある!」のヒットも記憶に新しい、俳優の阿部サダヲ。演技の道に足を踏み入れたのは、偶然だったという。

 進む道が定まらず「フワフワしていた」、20歳の頃。深夜番組ではバンドやお笑いと並び、小劇場の俳優が輝いていた。

9日に開幕する松尾スズキさん作・演出の舞台「ふくすけ2024―歌舞伎町黙示録―」に出演する阿部サダヲさん。公演に向けた思いも聞きました。

 小学校から野球漬けの学生時代。「全然知らないところに行ってみたい」――。そんな思いから、劇場で告知を見た松尾スズキ主宰の劇団「大人計画」のオーディションを受け、合格。1992年に入団した。

 初舞台は、新宿にある約150席の劇場、シアタートップスだった。当時、劇団は旗揚げから4年の成長期。人気の高い劇場での初公演だっただけに、松尾からは「お前たちは幸せだ」と言われた。

 阿部は「こんなに小さな劇場…

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