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官邸での除染土の利用イメージ=環境省提供

 東京電力福島第一原発事故後に福島県内を除染して出た土(除染土)について、浅尾慶一郎環境相は1日の会見で、月内に首相官邸の庭で利用すると発表した。福島県外での利用は初めて。

 利用するのは除染土約2立方メートル。現在の庭の上へ60センチの厚さに盛った後、通常の土で覆い芝生を敷く。マウンド状のものができるイメージだという。

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官邸での除染土の利用断面図のイメージ=環境省提供

 除染土は現在、福島県の中間貯蔵施設に、東京ドーム11杯分にあたる約1410万立方メートルが保管されている。政府は地元に対して2045年までに福島県外で最終処分すると約束している。除染土を全て搬入できる最終処分場の確保は難しく、放射能濃度が1キロあたり8千ベクレル以下の土は、公共事業などで再生利用する方針だ。

 同日の閣僚懇談会で林芳正官房長官から官邸に続いて夏ごろには霞が関の各省庁でも再生利用するよう指示があったという。浅尾環境相は「官邸は日本の象徴的な場所の一つ。安全性をしっかりと示し、ある種の象徴的なものとして理解醸成を進めていくことが、結果として除去土壌の最終処分、再生利用を加速することになる」と話した。

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