中間貯蔵施設で山積みにされた、除染土を詰めたフレコンバッグ=2021年10月20日、福島県双葉町

 東京電力福島第一原発事故後の除染で出た土(除染土)について、国は2035年ごろまでに福島県外で最終処分の候補地を選定するとの工程表を発表した。45年3月までに県外に運び出すという国の約束が守られるのか。土の保管に土地を提供した被災者たちは複雑な思いで見つめる。

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 福島県大熊町と双葉町にまたがる中間貯蔵施設(中貯)には、東京ドーム11杯分の土が県内から運び込まれている。

 地権者は約2千人。その一人、農家の根本友子さん(78)は国の計画を受け「その通りに進むよう努力してくれるかが大事」と語った。

 約10年前、中貯内にあった農地を一度は環境省に売ると伝えた。契約の前夜、「先祖伝来の土地なのに」との思いがわいた。泣きながら悩み、借地で国に提供することにした。

 いま大熊町の農業委員会の会…

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