政府が随意契約で大手の小売事業者に売り渡す備蓄米の引き渡しが29日から始まり、一部の事業者ではネット販売も始まった。農林水産省によると、2022年産約20万トンと21年産約2万トンの計22万トンを放出する予定で、審査を通過した61社を対象に順次、引き渡しを行う。
生活用品大手のアイリスオーヤマ(仙台市)のグループ会社の精米工場(宮城県亘理町)には29日午前、随意契約で購入した22年産の1万トンの備蓄米の一部が届いた。5キロあたり2千円(税抜き)で、「政府備蓄米」というシールを貼り、29日から自社のネット通販サイトで予約販売を始め、6月2日から宮城や神奈川、千葉の店舗での販売を目指す。
アイリスグループは東日本大震災で被災した農家を支援しようと、2013年以降、精米事業やパックご飯事業に参入している。同社の田中伸生・管理本部長は「一日も早くお客様の手にと思い、スピーディーに対応した。小売りと精米業を兼ねる当社の強みを出せた」と話した。
楽天グループも29日、同日午後に特設ページを開設し、政府から随意契約で購入した備蓄米を「楽天生活応援米」として、1袋(5キログラム)税抜き1980円で売り出し始めた。
コイン精米器、利用1割増
備蓄米は玄米で引き渡され…