明豊―市船橋 八回表明豊1死二、三塁、辻田の中飛で三塁走者川口は本塁を突くがタッチアウト。捕手花嶋=滝沢美穂子撮影

 第107回全国高校野球選手権大会に出場した市船橋は、9日にあった初戦で5回連続出場の明豊(大分)に2―6で敗れた。3年前、甲子園に出場した先輩の姿にあこがれ入部した3年生は全員で52人。誰ひとり欠けずに全力で駆け抜け、甲子園の舞台に挑んだ。その夏が終わった。

 「市船橋らしさ」から作った流れをつかみきれなかった。

 千葉大会で安定感を見せた諸岡杜和(2年)が先発し、初回に捕手の花嶋大和(3年)が盗塁を阻止。互いに堅い守備を披露して無得点のまま回を進めた。

 だが三回に失策や暴投で進塁され、2点先制を許した。四回には諸岡がライナーを捕球する好守備を見せたが、五回には継投した島田侑胡(同)が連打を浴びて2失点した。

 六回、潮目を変えた。エースの川崎耕司(同)が1失点はしたものの、華麗な併殺と三振で相手の流れを断つとその裏、小島直大(同)がセーフティーバントから決死のヘッドスライディングで出塁。花嶋も内野安打で続いた。ただ、ここで得点につなげられなかった。

 七回、安打で出塁した清水公輔(同)、吉崎大惺(同)を川崎が犠打で得点圏に進めた。アルプスから「市船soul」が響く中、満崎隆一郎(同)の内野安打で初得点を挙げた。

 八回には中堅に入った井上舜也(同)が飛球を本塁にストライク返球してアウトに。その裏、相手の守備の乱れを逃すことなく加点したが、後続が倒れた。九回にも粘りを見せたが力尽きた。

 多くの選手を起用し、随所で堅守や粘り強さを見せたが、最後まで相手の好投手や堅守を崩しきれなかった。76球を投げた川崎は「悔しいの一言」と言葉を詰まらせた。

 六回、気迫のプレーで流れを変えた小島も「後悔しかない」と言いつつ、こう言った。「甲子園は最高の場所だった」

共有
Exit mobile version