三重大の栗田李佳准教授=2025年5月1日、津市、保坂知晃撮影

 日常的にたんの吸引や胃ろうなどが必要な医療的ケア児が、保護者の付き添いがなくても、学校生活で必要な支援が受けられることを盛り込んだ「医療的ケア児支援法」の施行から4年。しかし、付き添いは依然としてなくならない。この問題を研究する三重大の栗田季佳准教授(教育学)に問題の背景や今後の課題を聞いた。

 ――保護者が学校に付き添うことになる背景や、その際の問題点を教えてください。

 教育委員会や学校が、保護者に付き添いを求めるのは、不足する介助者の穴埋めや安心・安全の確保などの理由があります。保護者の反応はさまざまですが、付き添いを了承したとしても、それは自発的な同意とは言えません。学校側の態勢が整っていなければ、子どもは物理的に学校に行けなかったり必要な介助が提供されなかったりする可能性があります。

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