茨城県庁=2023年11月21日午後3時30分、水戸市笠原町、宮廻潤子撮影

 茨城県内で2022年度に確認された障害者への虐待が、前年度の1・5倍の50件に上り、調査を始めた13年度以降で最多だったことが県のまとめでわかった。このうち家庭内の虐待は、前年度の9件から3倍以上増えて、32件だった。

 家庭内の虐待に関する通報も全体で92件と、前年度の約2倍に増えた。

 施設内での虐待は、前年度より6件少ない18件だったが、相談件数は22件増えて77件あった。このうち虐待と判断された18件の中には、複数の被害者がいた事例もあり、虐待を受けたのは子どもから高齢者まで24人だった。

 虐待の内容(重複あり)は、たたくなどの「身体的虐待」が39件で最も多く、暴言をはくなどの「心理的虐待」18件、障害者のお金を不当に制限するなどの「経済的虐待」10件と続いた。

 虐待に関する通報や相談が増えた背景について、県障害福祉課は「12年に施行された障害者虐待防止法の周知が進み、虐待に関する通報が定着してきた。障害者に対する人権意識が高まった結果だ」と分析している。

 県には障害者や家族、施設関係者が抱える問題を相談できる「障害者なんでも相談室」(029・244・9588)がある。

 また、県によると、特別養護老人ホームなどで確認された高齢者に対する虐待は、前年度比3件増の250件で、被害者数は同22人減の263人だったという。(張守男)

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