障害者グループホーム(GH)運営大手の「恵」(本社・東京都)が、食材費の過大徴収などの組織的な不正を繰り返していた問題で、保育所や障害者施設で働く人らでつくる「全国福祉保育労働組合」が30日、厚生労働省に再発防止などを要請した。業界への参入障壁の低さが背景にあるとして見直しも求めた。
また、利用者が施設を継続して使えるようにすることや職員の雇用安定なども要請。同労組の清水俊朗さんは「国や自治体が責任を持って(利用者に)必要なサービスを整備していくことができないか、追求していきたい」と話した。
同労組は昨年11月、従業員や利用者、家族向けの相談窓口を設けた。その結果、「栄養を考慮した食事とは思えない。何のための施設なのか」「預けられる施設が少なく、今後全て改善されるなら事業は継続してほしい」「職員が入居者に輪ゴムを当てるなど、暴力が当たり前だった」など、約200件の声が寄せられたという。
11月8日には利用者家族や職員を対象にした電話相談を受け付ける予定。フリーダイヤル(0120・294・004)、午前10時~午後5時。(高絢実)