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火災で屋根などに大きな被害を受けた中家住宅の主屋=2024年7月、奈良県安堵町窪田、中家住宅提供
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 昨年、隣家の火災で主屋の茅葺き屋根に大きな被害を受けた奈良県安堵町の国重要文化財・中家(なかけ)住宅で、今月から修復事業が始まる。建物の復旧だけで約5億円に上るとみられる事業費のうち、5%を所有者が個人負担することになり、支援をクラウドファンディングで募っている。

 中家住宅は江戸時代前期の環濠屋敷。2重の環濠に囲まれ、1659年に建てられたとされる主屋は、奈良盆地に特徴的な茅葺きと瓦葺きの屋根を組み合わせた「大和棟」だ。1968年に国の重要文化財に指定され、中家が代々管理してきた。現当主の寧(やすし)さん(66)は21代目になる。

 しかし昨年7月、隣家の火災が延焼し、主屋の茅葺き屋根を大きく焼損した。同家には天正4(1576)年の日本最古とされる梅干しが伝わっていたが、火災の際に壺が割れ、水をかぶるなどの被害を受けたという。

 建物は県の文化財保存事務所…

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