終息が見えないロシアによるウクライナ侵攻など、やまない武力行使や紛争。国際法の観点から平和について考えを深めようと、名城大学(名古屋市)の学生らがこの夏、模擬裁判に取り組んだ。
意見を戦わせたのは、国際法が専門の薬袋佳祐准教授(38)のゼミ生たち。これまでに「ウクライナとロシアの停戦交渉があったら」という想定の議論などもしており、今回争点になったのは、ロシアがウクライナ侵攻の際に主張した「集団的自衛権の行使だった」という理屈だ。
模擬裁判では、架空の国を舞台として設定した。A国の反政府組織が国内の石油生産施設を破壊したところ、A国と安全保障条約を結ぶトルメキア王国が、反政府組織を支援していたドルク連邦を空爆。ドルク連邦がトルメキア王国に損害賠償を求めて国際司法裁判所に訴えたという模擬法廷で、同大法学部の8人のゼミ生が双方の国に分かれて討論した。
「集団的自衛権の行使による空爆だった」。トルメキア王国がそう主張している点が、ロシアがウクライナ侵攻で主張した理屈に通じている。
武力行使の理屈、正しいのか
「そもそも、集団的自衛権の…