玄界灘に浮かぶ離島にある長崎県立壱岐高が20日、第97回選抜高校野球大会の初戦に臨む。人口約2万4千人の島を「100年に1度の奇跡」とわかせる、甲子園の初舞台。導いたのは、プラス思考で工夫を重ねた指揮官だ。
- 「壱岐から甲子園」20年越しの熱意実る 「礎」つくった中学教諭
全員が島育ちの選手21人とマネジャー4人を率いる坂本徹監督(40)。モットーは「ハンデをハンデのままにしない」という。
島から九州本土の博多港(福岡市)や唐津東港(佐賀県唐津市)まではフェリーで約2時間。遠征の移動時間を無駄にせず、ミーティングや選手同士の意見交換に充てる。
行きは試合のテーマ、帰りは反省と翌日からの練習メニュー。話し合いを重ねて1試合ずつを大事にする意識を高め、本土のチームより少ない実戦経験を補ってきた。
1回の遠征でかかる費用は、チーム全体で約30万円で、それが年間20回ほどある。保護者らの負担を何とか軽くしようと、知恵を絞る。
部員が授業中、監督一人フェリーで唐津へ
福岡へは高速船もあるが、使…