阪神の湯浅京己投手=大山貴世撮影

 阪神タイガースの中継などでおなじみの朝日放送テレビ・高野純一アナウンサーと、朝日新聞スポーツ部のトラ番大坂尚子記者が定期的に語る「虎バン主義。」。難病から復活し、1軍で活躍する湯浅京己投手について話しました。

  • 阪神はなぜ独立Lに寄り添うのか 「夢と希望を届けると言っても…」

 大坂 国指定の難病「黄色靱帯(じんたい)骨化症」から復帰した湯浅京己投手がここまで好投を続けています。

 高野 最近、スライダーでの空振りが多いような気がして聞いてみたら、本人はカットボールだと。「いま自分が投げているボールの中では、1番感覚のいいボール」と言っていました。

 大坂 4月29日が1軍復帰戦。そこから交流戦前まで14試合連続無失点です。カットボール効果もあるのでしょうね。

 高野 独立リーグの時に監督だった伊藤智仁さん(現ヤクルト投手コーディネーター)や、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の時にダルビッシュ有投手(パドレス)からスライダーを習っていたけど、自分の中では別のボールとのことでした。

 大坂 藤川球児監督は「段階を踏んで」登板させていると話していました。最初はビハインドゲーム、最近は競った試合、勝ちパターンでも起用されています。それにも応えていますね。監督は「マウンド上でやるべきことをよく知っている。起用する側からしても使いやすいというか、素晴らしい能力を発揮している」と絶賛でした。

 高野 元々明るい性格。練習を見ていても、チームの雰囲気を良くしているなと感じます。

 大坂 昨年は大変だったようです。春季キャンプで違和感を覚え、3月には右足に力が入らない状態になったと。7月に病名がわかり、8月に手術しました。

 高野 苦労している分、そしてマウンドでの感情が出るところも含めて、ファンが応援したくなる選手ですよね。直球も復帰当初より良くなっています。全盛期と比べたらまだまだなのでしょうけれど、「直球で空振りがもっと取れれば、本来の自分に戻ったと言える」と言っていました。

 大坂 病気のことも明るく話してくれたんです。守護神として岩崎優投手がいますが、ゆくゆくは岩崎投手を脅かす存在になってほしいです。

 高野 WBCで背番号「22」をつけました。たしか現役時代の藤川監督にちなんででしたよね。それを見て、いつか阪神でもと思っていたけれど、今は藤川監督がつけているから。その時に復活したのも縁かもしれません。監督が認めたら、もしかすれば……と未来を想像するのも楽しみです。

共有
Exit mobile version