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富士山に出現した「農鳥」=2024年5月3日、山梨県富士吉田市、池田拓哉撮影
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 富士山の山梨県側の中腹で、山肌の雪が鳥のような姿で残る「農鳥(のうとり)」と呼ばれる現象がある。ふもとでは田植えの時期の目安とされてきたが、近年は出現の時期が早まっているのでは、との見方が出ている。影響はあるのか。

 4月25日、雪解けが進んだ富士山7~8合目付近で、残雪の形が、左を向いた鳥のように浮き上がっていた。この日、同県富士吉田市は農鳥の出現を発表した。4月に入って暖かい日が続いたため、今年は過去10年で2番目に早く確認された。5月15日現在も、出現時よりやせ細っているが、農鳥の姿を確認することができた。

 市によると、かつて地元では、農鳥が出現する5月中旬ごろに種まきをして苗を育てた。農鳥がだんだんと溶けて、6月初めごろにおなかの部分が卵のような形に変化すると、田植えを始める目安とされていた。

かつては5月中旬の出現 最近は早期化

 しかし、30~40年ほど前…

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