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 「雲の上からあの人に手紙を書こう」。石川県白山市の日本三名山の一つ、白山の標高2450メートルにある山小屋に夏の登山シーズンだけ開設される「白山山頂郵便局」がある。ここから全国に、大切な人への気持ちや思い出が届けられている。

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白山山頂郵便局の窓口では変形はがきやオリジナル切手などを販売している=2025年7月29日午後5時33分、白山、杜宇萱撮影

 登山口から砂防新道コースに沿って約5時間を登ると、主峰の御前峰まで約900メートルの室堂平に着く。

 山頂の風が全身の汗を吹き飛ばす。その先に、赤い屋根の木造山小屋が目に飛び込んできた。登山者が頂上を目指す前に立ち寄る室堂ビジターセンターだ。

 山頂・御前峰に立つと、天候が良ければ岐阜県の山並みを一望できる。午前5時過ぎ、朝もやの中から太陽が昇り、白山一帯が淡い紅色の光に包まれた。薄紫の霧に包まれた赤い屋根が、緑の中でひときわ映えていた。

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ご来光を拝んだ帰り道。振り返ると、室堂ビジターセンターは朝もやに包まれていた。=2025年7月30日午前5時33分、白山、杜宇萱撮影

 頂上から戻り、センターの宿泊受付に隣接する小さな郵便局を訪れ、「登山証明書」の発行をもらった。

 日本郵便によると、富士山…

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