電力損失を悪化させることなくIGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)とダイオードを一体化した素子=豊田中央研究所提供

 全国発明表彰(公益社団法人発明協会主催、朝日新聞社など後援)の今年度の文部科学大臣賞は、豊田中央研究所とデンソーの「ダイオードとIGBTを一体化した超低損失な素子構造の発明」だ。

 ハイブリッド車などに使われる半導体のIGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)とダイオードを、電力損失を抑えつつ一体化する新たな技術を発明した。

 IGBTとダイオードは電力を制御するパワー半導体で、ハイブリッド車などの電動車ではモーターを駆動・制御する役割を担う。

 両者を一体化した素子の開発には技術的な課題があった。電力損失を抑える方法が正反対なので、一方の性能を上げればもう一方の性能が落ちてしまうのだ。

 今回の技術開発は2010年…

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