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 節電や人口減で電力の需要は縮むはずだったのに、一転して増えそう――。国のエネルギー政策の方向性を示す「エネルギー基本計画」を見直す議論で、電力需要の見通しが焦点になっている。大量の電力が必要なデータセンター(DC)や半導体工場が次々とできるからだという。電力が足りなくなるとなれば、原発の再稼働や新増設を求める声が強まりそうだ。

 6日に開かれた経済産業省の有識者会議では、将来の電力需要が議題になった。委員からは「需要が伸びることを前提にいろんな計画を考えないといけない」「需要拡大が見込まれるなか、エネルギー安全保障とネットゼロ(温室効果ガスの実質排出ゼロ)の両立には、脱炭素電源を最大限に確保していく必要がある」といった意見がでた。電源の確保が必要だとして、原発の新増設を求める意見もあった。

 エネ基の見直し議論が始まった前回5月の会議では、電力広域的運営推進機関による最新の予測が示された。2023年度の需要は8026億キロワット時で、33年度には約4%増の8345億キロワット時になるとみる。だが、同機関が1年前に出した予測では、需要は低下傾向にあるとしていた。32年度の予測を比べると、約200億キロワット時ほど需要が引き上げられたことがわかる=グラフ。これは、四国電力管内の年間需要に近い規模だ。

過去の電力需要と2024年以降の予測

電力会社の答えは

 この予測は、大手電力10社…

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