世界初の電動アシスト自転車「PAS」が1993年に発売されて30年余り。経済産業省の統計では、2024年に電動アシスト自転車の国内出荷台数は約73万台まで成長した。
この自転車を世に送り出したのは、オートバイなどの輸送用機器メーカーで静岡県磐田市に本社を構えるヤマハ発動機だ。脚の力が増したようにペダルをこげる画期的な自転車は今、用途を広げ、海外へ飛び出す。
その草創期から開発にかかわった村田和弘さん(61)は、今もSPV事業部のマネージャー特命担当として、試行錯誤を繰り返している。「新しい乗り物は使い道も市場も一からつくることになる。難しいですね」
91年に入社して10年間は…