検査に不正があったモーターを積んでいる電車と同じ「211系」車両=JR東日本提供

 JR東日本は14日、郡山総合車両センター(福島県郡山市)で車検にあたる電車の「全般検査」を行った際、モーター部品に傷がないかどうかを確認する探傷検査をやらないまま、検査に合格させていたと発表した。検査機器が故障したため、目視だけで済ませていたという。

 JR東によると、検査に不正があったのは、群馬や長野、仙台エリアなどを走る43両の電車に積まれたモーター計164台。国土交通省には、目では見えない傷を調べる「磁粉探傷検査」を実施すると届け出ていたが、検査機器が故障した2024年1月から今年2月まで1年余にわたり目視で済ませていたという。社内規程で探傷検査を必要とする29両計116台のモーターも目視だけで検査を終えていた。

 JR東は、これら計280台のモーターについて、緊急対策として打音検査で傷の有無を確認。さらに、6月末までに探傷検査を終えたモーターに交換する方針という。

 JR東では昨年12月、鉄道車両の車輪に車軸をはめ込む「輪軸組み立て作業」をめぐって東京総合車両センターで圧入力値の改ざんなどがあったとして、鉄道事業本部長を務める副社長を譴責(けんせき)処分としている。

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