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Uターンして初めてジャズ喫茶で演奏する臺隆裕さん(右)と、坂本千紘さん=2025年2月15日午後6時34分、岩手県大槌町、東野真和撮影
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 東日本大震災で音楽の力を知り、東京でトランペット奏者となった岩手県大槌町の臺(だい)隆裕さん(30)が今春から町の地域おこし協力隊員になる。自分にとっての「復興」を果たすために。

 2月15日夕、臺さんは町のジャズ喫茶クインでジャズコンサートを開いた。町のNPO職員・坂本千紘さん(33)がピアノを弾き、2人でスタンダードナンバー9曲を演奏、盛んな拍手を浴びた。

 店主の佐々木多恵子さん(56)は母を震災で亡くした。津波で流された店を再開できず他界した父の遺志を継ぎ、5年前に復活させた。「ここでライブを」と頼む演奏家はいたが「店が狭いので」断り続けていた。しかし、臺さんの故郷への熱意に折れて今回特別に受け入れた。

 演奏後、佐々木さんは「大槌をジャズで盛り上げたいという隆裕くんの気持ちがうれしかった」と今後に期待した。

 臺さんは震災時、地元の県立…

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