能登半島地震で甚大な被害を被った奥能登2市2町にある、公立4病院の経営環境が悪化している。限られた医療資源を有効に使うため、地元からは新たな基幹病院の建設を求める声が寄せられる。石川県は、将来的な医療圏のあり方を議論する検討会を立ち上げた。
4病院は、珠洲市総合病院(163床)と市立輪島病院(157床)、公立宇出津総合病院(能登町、100床)、公立穴水総合病院(100床)。
県によると、元日の地震で被災した施設や医療設備はほぼ復旧し、外来診療や人工透析治療を再開しているが、入院患者は震災前の半分程度にとどまり、外来患者も7割弱という。
震災後、4病院では69人(6月末時点)の看護師が退職した。奥能登で唯一、出産ができた輪島では、震災後に出産の受け入れを停止している。
県は震災前から4病院を取り巻く現状に強い危機感を抱いていた。
「出てくる課題が多すぎて解けない」
2023年3月に厚生労働省…