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最大23.1メートルの津波を想定し、東北電力が安全対策工事で海抜29メートルにかさ上げした防潮堤=2024年6月13日午後0時53分、宮城県の女川原発、福留庸友撮影
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 東北電力は13日、再稼働の前提となる安全対策工事を完了した女川原発(宮城県女川町、石巻市)2号機を報道陣に公開した。今後は原子炉に核燃料を入れる燃料装荷や、原子炉起動などの確認作業を進め、9月の再稼働をめざす。再稼働すれば、東日本大震災で被災した原発、東京電力福島第一原発と同じ沸騰水型炉(BWR)として初となる見通し。

 2011年の震災で女川原発の敷地は1メートル沈下し、約13メートルの津波が押し寄せた。かろうじて津波はかぶらなかったが、地下から浸水し、冷却ポンプが故障。原子炉建屋では1千カ所以上のひび割れが見つかり、国際原子力事象評価尺度で上から6番目のレベル2(異常事象)の評価を受けた。

海抜29メートルの防潮堤、工事は8年遅れ

 再稼働に向けた安全対策工事は2013年に始まり、海抜29メートルへの防潮堤(総延長800メートル)のかさ上げや、原子炉建屋の耐震工事などを5月末までに終えた。ただ、原子力規制委員会の指摘を踏まえた追加の安全対策工事などで、完了は当初から8年遅れとなり、今後整備する予定の遠隔で原子炉を制御できるテロ対策施設を含めた費用は計7100億円に上る見通しだ。

 女川原発の阿部正信所長は「安全対策には終わりがない。この後、新たな知見が入ってくると思うが、しっかり受け止め、安全確保の取り組みを継続してまいりたい」と話した。(中島嘉克、福留庸友)

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