東日本大震災で被災した中小企業向けの県の補助金を水増しして申請したとして、宮城県警は5日、同県塩釜市の水産加工会社「カネヨ山野辺水産」の元代表取締役社長、山野辺文幹容疑者(64)=塩釜市新浜町1丁目=を補助金適正化法違反の疑いで逮捕し、発表した。捜査に支障があるとして、県警は認否を明らかにしていない。

 捜査2課によると、山野辺容疑者は、東日本大震災で被災した複数の中小企業を対象に復旧費を国や県が補助する「グループ補助金」について、本社社屋や所有する大型冷蔵庫の修繕費の見積もりなどを担当する建設業者ら2人と共謀して水増しして申請し、2020年7月、県が支給した補助金1億9935万円のうち、約1億2千万円を不正に受け取った疑いがある。

 グループ補助金は東日本大震災をきっかけに新設。1事業者あたり15億円を上限に、国と県が復旧費用の4分の3を補助する。

 同課によると、同社は同じ補助金について他に3件申請しており、余罪を調べる。この補助金の不正受給事件を県警が立件したのは初。

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