営業終了のセレモニーで目頭を押さえる岡田成寛さん(左)=2025年8月30日午後7時22分、神戸市長田区、原晟也撮影

 戦後からはじまり、阪神・淡路大震災を乗り越え、人々に親しまれてきた神戸市長田区の「長田中央市場」が30日、約80年の歴史に幕を下ろした。営業終了後の午後7時、セレモニーには多くの人が駆けつけ、閉場を惜しんだ。

 市場は戦後の闇市として1946年に長田神社近くにできた。現在の市場を運営する長田中央小売市場協同組合代表理事で、果物店3代目の岡田成寛さん(50)は「子どもの頃は人があふれかえって歩けないほどだった」となつかしむ。

 95年1月の阪神・淡路大震災で2階建ての市場は全壊したが、人々のために市場の食材で炊き出しをした。1カ月も経たないうちに仮設店舗で営業を再開した。99年4月に10階建てビルに再建して29店舗が営業していた。

 こだわってきたのは「対面での人とのつながり」と岡田さんは言う。震災後に、スーパーのような集約した会計方法にするかどうかという話になったが、しなかった。「お客さん第一。お客さんの顔を見て、しゃべって必要にしているものをその人のために売る」。だから愛されたと感じている。

 しかし、震災前ほどの客足が…

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