政府は20日、東日本大震災の「第3期復興・創生期間」とする2026年度から5年間の事業費規模を「1.9兆円程度」と決めた。復興の「出口」が見える津波被災地と、本格的な復興に取りかかろうとする原発被災地。復興計画の「継ぎ目」をどう捉えればいいのか。復興計画に詳しい増田聡・東北大大学院経済学研究科教授に聞いた。
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――次の5年間の国の復興予算は1.6兆円程度が福島に重点配分され、岩手と宮城向けは1千億円程度ずつとなった
宮城と岩手はほとんどのハード整備が完了しており、ソフト事業のニーズも当初よりは落ち着いてきました。国が直接予算を出してきた復興事業については、通常の地方創生の枠などに乗れるものがあるのなら、枠組みを移すのも妥当な時期だと思います。
福島の場合は2県とは状況が違う。7市町村に帰還困難区域が残り、その中の帰還できるスポット(特定復興再生拠点区域)で本格的な復興が始まったばかり。必要十分な予算を付けるのは当然でしょう。
一方、宇宙開発や福島国際研究教育機構(エフレイ)など、直接的な復興とは別目的で予算措置されたものは、復興予算としての妥当性や適切性を、国や県、企業が丁寧に説明しなければなりません。
「真に必要な範囲」とは何か
国は廃炉事業を「最長40年」としたまま予算計画を立てていますが、その程度では廃炉は終わらないというのが個人的な感想。いずれ混乱が起きるのではないでしょうか。
――混乱とは
財源となる復興増税が終わっ…