(3日、箱根駅伝 復路)
青学大の原晋監督は前日、往路優勝のインタビューで言っていた。
「ピクニックランで帰りたい」
- 青学大の太田蒼生が「ピカソ」と重ねる箱根の魅力 誓う4度目の衝撃
往路に主力を起用し、首位通過。復路では他校の気力を失わせるぐらいに差をつけて独走する。
過去7度の総合優勝のうち、6度は往路も優勝していた。今回もその必勝パターンが見え、冗舌になっていた。
自信の根拠は、山下りの6区で計算が立っていたからだ。「タイム差が一番広がりやすいのが『山』」。前回大会で6区2位だった野村昭夢(4年)は、昨年11月にあったトラック種目の対校戦を回避。代わりに、山下りの実践練習に励み、箱根だけに向けて仕上げていた。
この6区で野村が区間新。2位に3分49秒差をつけると、残る区間は一人旅だ。運営管理車で後ろにつく原監督から「そう、そう、そう」とテンポよく声をかけられ、選手のギアは自然と上がる。「ピクニック」の始まりだ。
個人の記録では上位でない選手も、箱根路の先頭をプレッシャーなくのびのび走り、いつも以上に力を発揮する。レースペースの指示はほとんどない。8区の塩出翔太(3年)は「役割は自分で考えるように日頃から言われている」。青学大は、復路の3区間で区間最高をマーク。2大会連続で大会新記録を樹立した。
101回目の「新世紀」に入った箱根駅伝で、優勝回数はライバルの駒大に並び8度目となった。7年ぶりの連覇も達成し、「青学メソッド」の確かさを改めて証明した。