京急・横須賀中央駅(神奈川県横須賀市)西側の平坂(ひらさか)と呼ばれる急坂をあがった先に、古書・ビジュアル洋書販売「BOOKS&COFFEE AMIS(エイミス)」はある。
淡いグリーン色の日よけテントが張られた、古民家を改装したような店だ。白髪にバンダナを巻いた店主の稲葉恵一さん(73)が「ここ南側でしょ、西日で本が色あせるんだよね」と笑顔で迎えてくれた。
店頭には「新着輸入洋書!」と手書きのポップが添えられたジョン・レノンの本。隣にはテイラー・スウィフトが表紙の本も。
2人に見つめられながら横を見ると、カラフルな洋書の絵本や写真集が並ぶ。その左右には戦後史や料理本、辞典など様々なジャンルの書籍が関連づけられるように置かれている。
「本屋はカオが勝負。毎日、棚づくりを工夫しているんだ」
稲葉さんは青山ブックセンターの六本木店と新宿店で店長を務めるなど長年、書店業界に携わった本の目利きだ。
青山ブックセンターでは書店員はそれぞれ担当の棚を持ち、稲葉さんは建築や美術、洋書、デザイン、写真、思想などを担当した。新刊が入れば、関連書籍をイメージして並べた。
同僚と「棚遊び」をした
例えば、上野千鶴子の「構造…