2016年の「青森ねぶた祭」で運行された青森市役所ねぶた実行委員会の大型ねぶた=青森市

 ふるさと納税で青森市に寄付をして、ねぶたの曳(ひ)き手になりませんか――。青森市がそんな試みを始めた。寄付金額は100万円。ほかでは味わえない体験を返礼品にすることで、青森のファンを増やそうという狙いだ。

 東北三大祭りの一つで、毎年約200万人が訪れる「青森ねぶた祭」。例年、約20台の大型ねぶたが出陣する。ねぶたの周りで踊る「ハネト」は一般の人でも参加できるが、ねぶたを動かす「曳き手」は、原則は出陣する団体の関係者だけしかできなかった。

 返礼品となったのは、「青森市役所ねぶた実行委員会」の大型ねぶたの曳き手になれる特別体験ツアーだ。同市が曳き手の権利を返礼品にしたのは初めて。青森ねぶた祭は8月2~7日に開催されるが、曳き手になれるのは、2、4、6日の3日間で、各日1組2人までとなっている。体験当日は市職員がサポートすることで安全面を確保する。ツアーにはペア宿泊1泊分や、伝統工芸品の「津軽びいどろ」、青森の地酒、ねぶた師オリジナル作品もついている。

 曳き手をふるさと納税の返礼品にするアイデアは市職員の提案だった。これまで同市の返礼品はリンゴなどの特産品が中心だったが、特別な体験に価値を見いだしてもらえるのでは、と考えたという。市の担当者は「青森の魅力を感じてもらい、ファンになってもらうのが第一歩。何度でも青森に来てもらえるような、交流人口を増やしたい」と話す。

 寄付金額は高額に設定した。担当者は「特別な体験であることや、予約が取れない時期の宿泊、諸費用を考慮した上でインパクトのある金額にした」と話す。

 寄付は、ふるさと納税仲介サイト「さとふる」(https://www.satofull.jp/)からで、6月27日まで。同社によれば、新型コロナ終息後は、体験型の返礼品が増えてきているという。

 1日午後6時現在、いずれの日も寄付を募集している。返礼品の内容やツアーに関する問い合わせは同市人事課(017・734・5100)へ。

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