春季東北地区高校野球青森県大会の決勝が26日、八戸市長根公園野球場であり、今春の選抜大会に出場した青森山田が9―2で八戸学院光星に勝利し、3年ぶり13度目の優勝を果たした。
青森山田は集中打で効率よく点を重ねた。一回、5安打を集めて5点を先制。四回にも2本の適時打などで4点を加えた。どちらの回も打者一巡の猛攻だった。八戸学院光星は六回までに8安打を放ったものの、要所を抑えられた。
3位決定戦は、青森北が1―0で昨春優勝の弘前学院聖愛との接戦を制した。上位3校は6月に山形県である東北大会に出場する。
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4番の期待に応える活躍だった。青森山田の蝦名翔人選手(3年)は四回1死一、二塁で相手投手のカーブをとらえた。「直球を狙っていたけど、反応できた」。左翼線への二塁打を放って、1点を追加。リードを6点に広げ、優勝をぐっとたぐり寄せた。
4月の18歳以下日本代表候補強化合宿に招集された逸材で、兜森崇朗監督も「現在進行形で蝦名の成長にはやっぱり期待している」と語る。新チームになり必然的に4番を任されるようになったが、思うような結果が出なかった。力強い打撃でチームを全国選手権4強に導いた昨年の4番打者原田純希(あつき)さんの後継、という重圧があった。
憧れる原田さんに何度も電話した。今大会中もフォームの確認のため、原田さんに動画を送り、アドバイスを請うた。
そのかいはあった。一回には1死一、二塁で中安打を放ち、好機を広げた。五回にも内野安打。5打数3安打1打点と結果を残すことが出来た。
目標は昨年のチームを超えることにある。「日本一を意識してやっている」。蝦名選手はそう力強く語った。
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3位決定戦で青森北の一塁手小野晟雅(せいが)選手(3年)が値千金の決勝打を放った。四回1死二、三塁、前田一樹投手(3年)の初球のスライダーをたたき、左前に運んだ。
八戸学院光星との準決勝では、決勝点につながる失策をしただけに、この試合にかける思いは強かった。「準決勝は自分のせいで負けたので、何としても打ちたかった。ちょっとつまったけど、パワーで持っていった」と満面の笑みだった。